イタリア・ミラノで活動した甲冑師フィリッポ・ネグロリ(1510~1579)の作品が話題に!
ネグロリは、16世紀に活躍した甲冑職人で、父、弟ともに集団で作品制作をしていたようです。一家は、金属加工、彫金の技術に長けていてレベルの高い作品を幾つも制作しました。
ネグロリ一家の腕前は当時から評判で、カール五世などの王族にも愛用されていました。彼らの作る甲冑は人魚やドラゴンのモチーフがデザインされ、芸術的な価値も高いです。
一連作品は、メトロポリタン美術館等に所蔵され、現在でも見ることが可能だそうです。今回はその作品の一部を紹介します。
山羊のような角が見え、禍々しい表情のデザインです。黒山羊の姿をしたバフォメットという悪魔を模しているのでしょうか?側面や頂部の細かい加工が凄いです。これは戦場で見たら威圧感ありそうですね。
肩に装飾があしらわれた鎧です。獅子が大口を開けて襲い掛かってきそうなデザインですが、アジア系、特に中国あたりの獅子の描き方に似ています。何か影響があったのでしょうか?
天使と植物などがモチーフの兜です。こちらは典型的な西洋のデザインといった感じです。天辺のコラムと呼ばれる鶏冠の部分が横たわる女性(女神?)なのがデザイン的なこだわりを感じます。
以上が、甲冑師フィリッポ・ネグロリとネグロリ一家の作品の一部です。西洋でも職人の技術力の高さは他を驚愕させます。また、デザインへのこだわりと工夫が職人でありながら芸術家と呼んでも遜色ないレベルですね!また他の作品も調べて紹介したいと思います。