2万パーツのエクセル風景画
パソコンで仕事をする皆さんがよく使われる「エクセル(excel)」は表計算やグラフ作りに使われる定番ソフトです。このソフトの図形描画(オートシェイプ)機能だけを使って、見事な風景画を描き出す達人が、群馬県館林市の堀内辰男さん(76)です。
堀内さんは、定年退職後の暇な時間を使ってパソコンを弄ってる時に「エクセルで図形を組み合わせれば、絵が描けるんじゃないか」と考えたそうです。そのアイデアを即行動に移した堀内さんは、エクセルで、美しい風景画の制作に取り組みました。
このアイデアと行動力の背景には、堀内さんが電機メーカーで長年、殺菌装置の研究や、事務機器の開発に打ち込んできた経験が活きたのかもしれません。「人まねをしたら、技術者はおしまい。常に新しいことに挑戦する」この一念で、絵画もエクセルも使ったことのない堀内さんが見事な作品を完成させました。
簡単な題材から大作へ成長する作品
手始めに、数十年育ててきた君子蘭の絵を描きましたが、30分間かけても落書きのような出来栄えでした。しかし、めげずに路傍の花、台所の野菜、果物と手当たり次第に書いたといいます。
堀内さんが編み出したのは、「貼り絵の手法」です。花なら花びら一枚一枚、木なら幹の陰影ごとにパーツを作ります。パーツは、エクセルで作りやすい丸や四角など単純な形。それを着色し、形を微調整して、こつこつと重ね合わせていきます。パーツの数は膨大な量になります。大きな作品では2万以上のパーツを組み合わせました。堀内さんは「根気の良さも、研究の日々で身についたもの」といいます。
(withnewsから引用)
作品制作はとても緻密で根気のいる作業だったと思います。しかし、制作開始から16年を迎えた堀内さんの作品は、既に大作と呼べるほど成長しています。今まで作った作品は数百点に上り、2006年には、IT情報サイト「moug」が主催した「オートシェイプでお絵かきコンテスト」で大賞を受賞するほどの腕前になりました。
芸術の世界にはいつも革新的なアイデアと情熱があります。堀内さんの作品にもその二つが感じられるはずです。
『雪の大倉』
『佐渡相川大浦海岸の夕陽』
『黄金の絨毯と紅葉』
『寒い早朝 日の出に歓喜する子』
その他の作品は(http://pasokonga.com/index.htm)で見ることが出来ます。